いまさら派遣村のこととか

派遣村がらみで、割と一般人よりの人からも「努力しない奴が悪い、そして努力してない奴が混じってるだろうから派遣村は肯定できない」みたいな主張が少なからず聞こえてくる現状。よいまとめがあったのでリンクしておく。
倫理的な観点から言えば、全ての人の生命と権利が等しく守られるべきであるから、努力しない人も救済すべき。利己的な観点から言えば、治安の悪化の抑制であり、寝覚めの悪い自殺や野垂れ死にの抑制であり、また自身が同様の境遇に立たされたときの保険となるから、努力しない人も救済すべき。そういう感じ。


それを踏まえたうえで、雇用についての具体策をどうするかという点で、正規雇用のワークシェアリングを進めるだのを掲げる経営者側が多いこと。あたかも「正規雇用の厚待遇を守るために非正規雇用が搾取されてたんだ」と言わんばかりですが、これは正規と非正規にお互いの憎しみの矛先を向けさせようとする罠です。大手製造業の役員報酬はここ5年間で平均して2倍に伸びているとのことなので、正規と非正規の間で待遇の帳尻を合わせるのではなく、まず役員が率先して自分の身を切るべきでしょ。役員報酬を現状の半分に抑えれば、正規も非正規も両方の雇用を守るように動けるはずなのに、正規の待遇を細らせればよいなどという論に走るのは自分の権益を守るための欺瞞であることが明らかです。


不況のときこそ金持ちが金を吐き出せ、と声を大にして言いたい。