次の戦場は都知事選


都議会での石原都知事への一般質問でのやりとりが話題になってるようですが*1。知事のマンガフォビアは相変わらずで、目新しいことは無い感じ。TAFへの参加を求めた手紙にしても都職員が知事名義で出してるだけのアリバイ作りだろうし。「都から歩み寄る姿勢を見せたのに企業側の態度が頑なだったんですぅ」みたいなね。


何にせよ、猪瀬副知事の件なんかもそうだけど、条例が通った後で何やかや彼らを批判したところで、世論を形成する(「やっぱ石原都政はおかしいわ」という認識を広め強化する)以上の意味は無く、特にこの2人とも持論を曲げるタイプではないのは今までの経緯から明らかなのだから規制推進路線が撤回されることも無いだろうし、仮に何かしら言質をとったところでそれが条例の運用への縛りになる保証もない。だから、彼らがこんなことを言いましたよ、こんな言葉を引き出しましたよ、なんてことをドヤ顔で手柄として誇る人もいるようですが、そういった彼らの発言そのものが何かしら政治的に今後の結果に繋がる話ではない*2
それならばむしろ、世論を形成する以上の意味が無いのだから、その世論形成にこそ最大活用すべきだろうと思います。具体的に言えば次の都知事選に向けてね。「今の都政の路線を踏襲する候補はダメだ」という認識を広めて、条例の改廃に有利な候補が当選するように立ち回る、そのためにこそ彼らの諸々の発言を利用すべきでしょう。都知事選の有権者に、この条例の成立過程の酷さやそれにまつわる彼らの酷い発言を積極的に流布していくことが、今やるべきことだと思います。


現時点で名前の上がっている候補で有力なところと言えば、現職の石原慎太郎氏、副知事の猪瀬直樹氏のほかに、蓮舫氏、東国原氏、そしてここ最近で名乗りを上げて話題になった渡邉美樹氏あたりでしょうか。
まあ現職2人はこれまでどおりの路線なのは明らかで、渡邉氏も漫画を読んで酷いと思ったから規制賛成という実感主義者表現の自由とか理解して無さそう。東国原氏は表現規制についての旗幟を明確にしていないので、まずそこから探りを入れるなり規制反対派の主張を丁寧に説明するなりしたほうがよいですね。蓮舫氏はこの面子の中では唯一明確に表現規制に慎重の立場ですが、民主党そのものの支持が低下している中での選挙はやや不利ではないかという不安があります。
そろそろ誰を応援するのか決めて動き出したほうがよさそうですね。

*1:やりとりのダイジェストはこちら。知事の言うブラジルの会議ってのは以前に触れた強行的な規制推進派の集会のことでしょうかね。参加した日本代表がめちゃくちゃな報告を行なうことで「アニメ漫画も規制すべき」という採択を引き出し、それを持ち帰って規制推進の外圧として利用している構図。

*2:つか、コミケが規制対象ではないってのは条例案の時点で確認されてたことであって新しい情報でもなんでもないし、そもそも副知事の認識やら言質ひとつで運用が揺らぐような示唆がなされている時点でこの条例の本質的な人治主義性が問題視されていることを理解していない。