バグ=罪?


そういやバグを放置したら逮捕されうる刑法が成立したんだってね。この問題に関しては以前から高木浩光先生が何度も言及していたのですが、結局、法案の策定を進めてきた人たちの間で法律の主旨についての認識が錯綜しているままに成立まで来てしまったことが問題だったのではないかと。
どうやら世の中には、プログラムは絶対に無謬でなければならないと考えている人が少なからずいるようで、つまり、騙そうという悪意を持って仕込まれた機能と、作成時の不備からくる誤動作とを、同列にみなして、後者も吊るし上げられなければならない罪だと認識してるっていう。一番怖いのは、そういう人達が、この法律を拠りどころにして、プログラムの品質保証を強要しようとするような事例が出てきそうなところ。
もともとコンピュータってのはある程度の知識のある人が自己責任で使うっていう性格のシロモノだったのが、ズブの素人まで使うほどに普及してきてしまったがゆえに、そういう素人が絶対に間違わない基準を前提とした過度の堅牢性が求められてしまってるような印象。実際さー、readmeもロクに読まないような人がフリーソフトを勝手に使って勝手に自爆して勝手に怒るパターンって多いみたいで、AppStoreのレビューなんか日本だけ抜きん出てヒドいとかいう話もあるくらい。そんなノリで警察に通報されたりしたら、警察は警察で情報技術に詳しくないうえ自分の都合のいいように条文を解釈して手柄ばっかり取りたがるもんだから、岡崎市立図書館のときみたく、善意のフリーソフト開発者が逮捕されるなんてことも簡単に起きてしまいそうなのがなあ・・・。
日頃から仕事でプログラム書いてる身としては、本当にカンベンして欲しいんだが。