ケツは自分で拭かせろよ


なんか降って湧いたように日韓スワップ協定が拡大される件。お互い外貨立ての決済に困ったら予め決めてあったレートで通貨を交換して助け合えるようにしておこうね、ってのが相互スワップ協定の機能だけども、当面のところ日本が外貨での支払いに窮することはないわけで、事実上は日本だけが一方的に外貨援助の役割を大きくしただけってのが実態ですね。そのような一方的な援助をする動機付けとしては、韓国が万が一デフォルトすると韓国と取引のある日本企業が大損をこくから、それを予防しようという魂胆のよう。
でもさー、経緯からすれば韓国がウォン安誘導により輸出を有利にしていた尻馬に乗っかって儲けようとした日本企業が、今度はそのウォン安誘導の行き過ぎで韓国経済ごと共倒れしそうになってるのを、日本政府が外貨を融通して助けようとしてるってことじゃん。自由化だグローバリゼーションだって言って企業が海外進出して国内の労働需要を減らし失業者を増やしたことについては実力主義の名の下に失業者の能力不足として自己責任論で切って捨てるくせに、いざ企業が自身の経営判断の失敗(韓国経済についての見通しの甘さ)で損害を受ける段になったら自己責任論はどこへやら、「国が守らなきゃ」ってなるのは、ちょっと酷すぎる気がするなあ。もちろんそれらの企業が潰れることで短期的には日本の労働者が受けるダメージも相当あるのは確かなんだろうけど、だから失敗した企業を潰すわけにはいかないってのは、リーマンショックのときにも問題になった大きすぎて潰せないという話(あるいは現在進行形の、株主や債権者のために東京電力を潰せないという話)と酷似していて、結果的には市場の淘汰圧をスポイルし経営判断の甘い企業を存続させることになり、中長期的には日本企業の競争力の成長を阻害することになるんじゃないかと。本当に自由化が至上の価値だと思ってるんなら企業の愚行の責任は企業が取るべきであって、国がそれを嫌だと思うんなら企業が愚行に走らないよう予め規制をかけて完全自由化は避けるべきでしょう。TPPの件なんかもそうだけど、企業の都合に合わせすぎ、つか経団連におもねりすぎじゃないの?この内閣ってば。
スワップ協定の話に戻すと、せめて韓国から交換条件で何らかの便益を引き出せてるんならまだいいんだけど、本当に一方的に助けるだけなのかね?だとしたらちょっと外交手腕なさすぎだと思う。