自炊が捗り過ぎる?


本を裁断せずにスキャニングできる、いわゆる非破壊型スキャナがコンシューマ用の機器として遂に登場したようです。人がページをめくると自動でスキャンするという動作のようで、人間の手作業が入るという点ではGoogleのオープンソースのやつよりも自動化率は低いことになりますけど、DIYの必要ない完成品として発売されるのは、間違いなく画期的なことですね。あるいはこの製品に(Googleのほうの)掃除機でページめくる機能を後から付け足せれば、完全自動化にできるかもしれませんし。
イムリーと言いますか、数日前にニコ生で自炊についての討論会があったばかりで、そこでの議論でもやはり「いずれ非破壊型のスキャニングが個人で行なえるようになる」という論点は出ていました。自炊に前向きな著作者の団体「Myブック変換協議会」もそのことは認識していて、そういった事態が訪れる前に、「スキャニングしたデータには電子透かし的なトラッキングIDを埋め込むなどして、違法アップロードを抑止するトレーサビリティを担保する(かわりに、DRM無しを認める)」ことを自炊の慣習・慣例として定着させたい、といった主旨のことを話されてましたけど、そんなことを言っている間にもうこんな製品が登場してしまい、ちょっと権利者サイド(特に出版社)の動きが少し遅すぎた感がありますね。
社会的にフェアな自炊のコンセンサスができてくれることが望ましいですが、こういった高度な機器の普及は、いずれ図書館の本を借りてスキャニングすることすら可能にしてしまうわけで、関係者は社会的な合意作りを迅速に進めてもらいたいなあと思うところ。