現行の3つの規則


今回の冬コミは行こうか行くまいか迷った挙句、行くのやめたんですけど、2013年に入って刑法175条の運用が厳しくなってきた流れがあって、事前に注意喚起があったりとか、実際に修正をお願いした件数も多かったとか。


前掲のリンク先でも触れられてるけど、刑法175条(わいせつ性)と児ポ法青少年健全育成条例の関係をよく理解できてない人もいるみたいなので、簡単なフローチャートを作ってみました↓



実務における、いわゆる“消し”“モザイク”等の処理は、上図の1つ目の分岐で「“わいせつ”に該当しない」ようにするためのものです。前述の注意喚起の件はこの部分に関係していて、ここ最近の警察・検察の取り締まりの傾向として、より大きな“消し”“モザイク”を要求するようになってきている(従前の大きさでは“わいせつ”とみなされうる)ということです。
一方、表紙などに成人向けマークを明記し、対面で成人にのみ頒布するのは、3つ目の分岐で“有害図書”に該当しうる作品を頒布するにあたって「成人に対してのみ頒布している」取り組みを明確にするためのものになります。
つまり「成人に対してのみ売ってるんだから消しが小さかろうが問題ないだろ!」という論理は通用しないということです。成人に対してすら“わいせつ”なモノは見せられないよ!というのが刑法175条のスタンスですので。


あと確認しておきたいのは、“わいせつ”に該当しなくても“児童ポルノ”に該当とする場合があるよ、というあたりでしょうか。現状では、架空表現であるかぎり(=実在児童が被写体になっていないかぎり)“児童ポルノ”に該当しませんが、もし法が改悪され架空表現まで取り締まり対象となってしまうと、“わいせつ”でないのに“児童ポルノ”たりうるという性質が非常に強力に働いて、それこそ「肌を少しでも露出してる(架空)児童が描写されてたらアウト」になりかねない、という懸念があるわけですね。
今年の国会でそのような法案が出てくる可能性が高いという観測もありますので、動向を注視しつつ色々と備えておく必要がありそうです。