ふー、びっくりした

サイレントマジョリティを考慮にいれて決定させてもらう件


ガ板にもマッハでスレ立ってるし。
中でも個人的ヒットしたレスは
「サイレント魔女☆リティ」シリーズ。


真面目に書いとくと、これはそもそも設問が悪くて、
「仲良く」するということの定義が明確になってない。


記事中で挙げられた反対派の意見は、この設問の意味を
「友好的な外交を活発に持つかどうか」と解釈しているもの
が多いように見受けられ、過剰な人は「中韓に配慮した譲歩
外交をすべきか」と解釈したようでもある。


対して賛成派の意見は「個人的な関係として親しみを
持つべきかどうか・壁を作るべきかどうか」という解釈
のものが多いようだ。


これらの意見はそれぞれ外交・個人という異なった
規模の観点での話で、互いにすれ違った主張だ。
つーかもっと言うと、これらの主張は共存でき、
真っ向からは対立するようなものではない。


当の石田衣良は後者の意見に同調するような形を取り、
前者の意見を「反日報道やネットの情報に踊らされてる」
として否定しているが、上述の通り前者と後者の意見は
質的に異なるものなのだから、一方を支持したとしても
それが即座に他方の否定にはならない。ゆえにここでの
論点は「反日報道やネットの情報に踊らされてる」という
言い分が果たして“ほんとかなあ”という部分だ。


しかしこの人は、反対派と賛成派の意見の質が異なってる
ということに気付いていないのか、賛成派に同調するだけで
反対派意見へ充分な疑義を差し挟んだつもりでいるらしい。


唯一、この人自身の見解らしきものが示されているのは
「ぼくはつぎの10年間で(後略)」の段落だけど、これも
新聞的印象操作構文の塊。
マネして「お隣の国と仲が悪いのはおかしい、どんな相手とも
仲良くすべきだ、と言う(だけ)のはイイ子そうだし簡単だ」
とも書ける。
根拠としてるらしき経済についての言及も浅すぎるし。
こういうクリティカルなところで自説の根拠をきちんと
語れるかどうかが、問題に対するその人の見識を表す。


結局、サイレントマジョリティ云々が無くとも、これは自分が
あらかじめ用意した結論を補強できるような材料をアンケート
結果から拾ってきて、あたかも自説が支持されているかのように
見せかける、まあマスコミにありがちな手口なんだけれども、
それにしても上述のような表層的な論理性すら取り繕えてない
コラム、ということ。


直木賞作家だそうです。