ぽっぽっぽ〜
「日本列島は日本人だけの所有物ではない」って言うけど、むしろ逆で、その国が誰のものであるのかを明らかにするのが国籍なんじゃないかと思います。つまり「日本は○○のものです」の○○に当てはまる、というのが、日本国籍を持つ者という意味での日本人の定義なんだと。
日本に限らずとも、その国の国籍を持たない人ってのはあくまでも外から来たお客様に過ぎません。国の余裕があるかぎりにおいてお客様を厚遇するのはよいでしょうが、国籍を持つ人の権利にあまりにも近づけ過ぎると、国籍という制度が形骸化してしまうでしょう。例えば、ある種の条件をクリアすることで得られる資格Xなるものがあったとして、資格Xを持つ外国人に国民と同程度の権利を与えるとすると、資格Xが実質的には国籍と同程度の便益をその当人にもたらすことになるわけで、そうなると国籍と資格Xを分ける意味があるの？ということになります。
なので、この種の議論はいつでも、国籍の付与する具体的な権利範囲およびそれに関連する諸制度との対比で考える必要があります。特に参政権ともなると、前述の「日本は○○のもの」の本質なわけで、非常に慎重な議論が必要になります。個人的には、外国人参政権付与に傾くぐらいなら、帰化制度の見直しのほうが筋が通っていると思いますけど、そこまで事を大きくすると反対が強かろうという予想から外国人参政権付与という戦略を採っているのかもしれませんね。
しかしながら、それだけ慎重さを求められる議論を「他の国でもやってるから」*1とか「仏教があるんだから」*2という理由で「参政権ぐらいは」*3と言ってしまうのは、あまりにも暴論というもの。
しかもこの文脈で「オバマ大統領を生んだアメリカはすごい、絶対に日本では起こりえない」などと言うとは。言うまでも無く、オバマ大統領はアメリカの国籍を持つ正真正銘のアメリカ人であり、外国人ではありません*4。アメリカはもともと多民族国家であり文化が多様であるがゆえ、互いの慣習が通じ合わないことを前提とし、ルールをガッチリ定めることで共生してる（その意味では訴訟大国なのも必然）のであって、それが日本とアメリカの精神的成熟度の違いであるかのように言うのはミスリードもいいとこ*5。もし本気で言ってるのなら、ちょっとどころじゃなく認識がズレているような・・・。
小沢さんだけじゃなく、もう党幹部全員を刷新したほうがいいのではないかと心配になりますね。
