110万で暮らせんの?

アニメーターの賃金が低すぎることが改めて確認された件。


現在の委員会方式のアニメ製作においては、仮にその作品がヒットしてもDVDやCDの売り上げに応じた収益が、動画などの下請けには還元されない(最初に制作費を捻出した出資元企業・スタジオにのみ還元される)という構造になっているので、実はわれわれ消費者が頑張って関連商品を買っても、末端のアニメーターを支えることは難しかったりするんですよね。業界の構造を変える必要がある。


主催したJAnicA世話人であるところの芦田豊雄のインタビューによれば、

TVシリーズ1話あたりの直接制作費が1000万とすると、作画や演出に使われるお金は大体30%になりますから、約300万。その直接制作費を1000万から1300万にしてもらうと、これまで月収10万だったアニメーターが20万になるんですよ。月収10万の人が20万になれば、ギリギリ東京で暮らしていけますよね。

http://www.style.fm/as/02_topics/top_070816a.shtml

ってことだから、キャッシュフローをそこまでドラスティックに変革しなくても十分な待遇改善が可能ということになるので、割と希望はありそう。


ただ、石田敦子アニメがお仕事!」によれば、下請けが結託して賃上げ運動を起こそうとしても、賃上げ運動があることを知りながら低賃金を維持することで他を出し抜いて仕事を取ってこようとする下請けがいて、そういうところに発注する出資元や元請けがいるかぎり、労働争議的な手法での改善は成功しないという実情もあるみたい。


そういう意味では、上記のインタビュー中にもあるように、出資側が「自分の問題だ」ということを意識して改善に努める、安易に低賃金のところに仕事を流したりしない、ということが求められてきます。
いち消費者としては見守るくらいしかできないのが何とも歯がゆいですね。