検閲、ダメ、ゼッタイ

警察がプロバイダに児童ポルノ掲載サイトへの接続遮断をやらせようとしてる件。


理由は何であれ検閲でしょコレ。「児童ポルノが流布しないように遮断してるんです!」って言っても、遮断されてるのが本当にそのようなサイトだけなのか、実はもっと他の、例えばある種の政治的言論の掲載されたサイトが遮断されていないのか、遮断されて見ることができない我々には確かめようが無いわけですよ。いわば、「児童ポルノが郵送されてるかもしれないから、封書は全部開封して確かめます」って言いながら、政治的な署名やら嘆願書やらを握り潰してもバレないよね、みたいな。
実際、ブロッキングを実施してるイギリスでは“事故”としてそういうことが起きたりしてるし、ドイツなんかじゃブロッキングに反対する署名が10万筆以上集まったとかなんとか。


だいたいさあ、違法サイトだって解ってるならそのサイトそのものを摘発すればいいじゃん。ブロッキングのための設備投資するくらいなら、同じお金で(Google程までとは言わなくとも)webクローリング用のサーバを整えて違法サイト検知の効率化だって図れるだろうし、あるいはもっと単純に摘発のための人員増員だってできる。
海外サイトについてだって、そのために海外協力して日本もいろんな要求を飲んできたんでしょ?こういうときこそ逆に「お前らんとこの違法サイトうざいんですけどぉ、ちゃんと取り締まれよ」つって圧力ぐらいかけろっての。


そういうこと全然やってないのに、いきなり「ブロッキングで」ってなるのは、本当に検閲・情報統制のための足がかりを狙ってるとしか思えないんだけど。いちおう“自主的”とか言ってるけど、青少年ネット規制法が法案のときなんかもプロバイダが“自主的”に対応しなければ罰則あるからとか、実質の強制をしようともしてたし。


若者の右傾化なんかよりも、こういう国家権力の暴走めいた動きのほうがよっぽど怖いな。