危険航法

例の衝突事故はコンテナ船の過失が大きそうな模様。


整理すると、右側通行の狭い海峡にさしかかる際、コンテナ船は前方の貨物船の2倍以上の速度で進んでおり、追い越したい旨を海上交通センターに伝えたら「追い越すなら左から」と言われていた(右は浅瀬なので座礁する恐れがあった)のに聞かずに右から追い越そうとしたところ、直前で貨物船が(海峡のカーブに沿って進むために)右に寄ったため、追突しそうになり慌てて左に急転進したらちょうど対抗側から来てた護衛艦に衝突した、ということ。
狭くて危険な海峡だってことはわかってたはずだし、コンテナ船からも前方の貨物船の存在は把握できてたはずなのだから、海峡に入る前あたりから速度を調整して海峡の中で追いつかないようにするとか、取りうる措置はいくらでもあったのではないかと。本当にこんな無茶苦茶な操船だったのだとしたら、たとえ護衛艦がいなかったとしても左側の浅瀬に座礁するなり岸壁に激突するなりしてただろうと思います。


上記のような経緯で起きた事故なのだとしたら今後いかにして海峡の安全性を保つかということが重要な論点になってくるはずで、実際に現場で仕事してた人からもルール無視の外国船の危険性について指摘があるようです。海上輸送の重要性が高い島国だけに、例えばここで大事故が起こって一時的にでも他船が通り抜けできないような事態になってしまうと、経済にも大きな悪影響が出てくることは間違いないはず。自衛隊を叩けないとなったら途端にテレビの報道が減りましたが、話題性だけで騒ぐのではなく、こういうことこそきちんと報道してほしいと思います。