本当の借主の為って・・・


貸主の家賃取立てを規制する法案を閣議決定したとか何とか。ここ最近の判例でも借主に有利なものが多く、「家賃を踏み倒されても貸主は手出しできず」な方向。
本来は対等な契約であるはずにもかかわらず借主が保護される傾向が強いのは、住居は人間の生活に欠かせないインフラだからという理屈のようですが、それならば国がセーフティネットとして住居を貧困層へ提供すべきところ。それをせずに、貸主の取立てだけ法律で止めるというのは、見た目こそ貧困層を守っているように見えますが、本来は国が負担すべき社会的なコストを(家賃の踏み倒しという形で)貸主に押し付けてるだけなんじゃないでしょうか。こういう規制を実施するなら、踏み倒された家賃を国が立て替えて、貸主に代わり国が借主への「妥当な」取立てを行なうという制度も同時に実施しなければバランスを欠きます。
こうなると、貸主の側としても契約前の審査を厳しくせざるを得ず、経済的に苦しくとも踏み倒すつもりは無い借主が住居を得にくくなるという結果になり、結局、貧困層への助けにもならないのではないかという懸念もあります。
何より、根本的な問題として、家賃を踏み倒さなければならなくなるような貧困層が増えないよう、減っていくよう、経済や雇用を立て直すことが先決のはずですが、こういう小手先の施策で見た目だけ貧困層救済を装っているようでは、先が思いやられますね。