謝罪すらド下手

普天間基地の移設問題は、とうとう首相も沖縄県内移設の方針に固まってきてるようですが、ここまでさんざん引っ張ってきてダメだった言い訳が「海兵隊が抑止力と思ってなかった」って・・・いくらなんでも酷すぎる。野党時代からずっと議論してたことなのに、今更その認識に至ったってことは、この案件について真面目に検討してきてなかったってことじゃん。民衆にかわって専ら政治を執り行なうべくして選出されるのが代議士なのに、その政治についての不勉強を言い訳に開き直るなんてのは、料理人が食材の安全性に無頓着で起きた食中毒を開き直るようなものであって、総理としての適格性以前に、議員としての適格性が問われるレベル。


県外移設が実現できなくなったことを自身1人の責任にするような発言もしているそうで、どうやら自分1人の辞任をもって責任をとったことにして民主党の支持率低下や参院選への影響を極力抑制したいみたいだけど、県外移設は民主党の沖縄ビジョンにしっかり含まれてる内容だから、党全体として責任は回避できないでしょう。
つか社民党民主党との約束として県外移設を取り付けていると考えているはずで、ここで「いや、総理1人の口約束だったから」とか言われたら決定的な亀裂になるんじゃないの?まあこれまでも二転三転する発言で相当イライラさせてきてて、こういう結果になるのは不可避だったような気もしますけど。


しかも県知事との会談では「県外(移設)という話が無かったわけではないが」って完全に他人事っぽく言ってるけど、県外移設を言い出したのはあんたがた現政府の面々でしょうに。沖縄の代表の方々を目の前にしてこんなセリフが出てくるなんて、自覚が無さ過ぎでしょ。無責任だという印象にさらに拍車をかける結果になっちゃってる。
こんなんじゃ、県民感情として、衆院選前の元サヤに戻すのは無理でしょうね。杭打ち案とか言って自民党案との違いを出そうと必死のようです*1が、県民にしてみれば沖縄へ負担を強いてるのは同じことですし。


自分が失敗したとき、迷惑をかけた周囲に対してどう謝ることができるかによって、それ以降も信頼されてもらえるかどうかが決まるものですが、今回の鳩山首相の振る舞いは完全に失敗してて、民主党全体の信頼失墜につながりかねないもののように思います。

*1:そもそも杭打ち案にしたところで埋立て案と同様の環境負荷は避けられないし、加えて新たに安全性の問題が出てくるうえ、建設費も維持費も跳ね上がってしまうため、自民党案と差別化できること以外には何の意味も無い無駄だらけの案のようです。 ref. http://d.hatena.ne.jp/kibashiri/20100427/1272342312