廃案にするしか


今回提出される条例案の内容が明らかになったので、自分もいま目を通してるところだけど、近親相姦はダメという話は「社会倫理に反する」云々じゃなく、条文上に名指しで書いてあってワロタ。そこまで目の敵にするほどの何があったのか、策定した人に聞いてみたい気分。


まだざっと読んでる段階なので細かいことは言えませんけど、「漫画、アニメーションその他の画像」と対象を限定していたり「実写を除く」と明言していたりするあたりに姑息さが滲み出てますね。こうしておけばドラマ制作や映画製作に影響しないだろうから大手マスコミに騒がれずに済むだろうという。
まあそれは半分くらい被害妄想も入ってるから脇に置くとしても、アニメや漫画だけを対象としてるのは規制の根拠に照らしても変ですよね。健全育成への影響なんて言ったら、テレビドラマなどもそこに加えないとおかしい話になるわけですから。


そして肝心の「著しく社会規範に反する性交又は性交類似行為を、著しく不当に賛美し又は誇張するように、描写し又は表現する」という部分は、やはり曖昧と言わざるを得ないかなあ。現行の条例が「性的感情を刺激し〜青少年の健全な成長を阻害するおそれがあるもの」という文言になってることと対比すると、今まではエロさを規制の基準としてきてたんだけどその方向性での規制強化は反発が大きいようなので避けて、新たに反社会的かどうかを基準に加えようとしてる、ということはわかる。けれども具体的に何が“社会規範に反”して“不当に賛美し又は誇張する”と判断されるのかが曖昧*1で、このままだと官憲の胸先三寸になるのは間違いない。少なくとも今回の案が通ることで、槍玉に挙げられている『僕は妹に恋をする』が規制対象になるのなら、想定されている規制範囲はかなり広範に及ぶと考えてよさそう。


やはり今回も反対せざるを得ませんね。

*1:そもそも反社会的かどうかの基準を性行為にのみあてはめて考えるというのも変だしね。