警察こそ法を守れ


いま巷を賑わせている大相撲八百長問題ですが、発端となったリークは法律に照らして問題があるのではないかみたいな指摘があったようで。警察が別件の捜査の過程で八百長を示唆するメールを発見したとしても、裁判所から発行されている礼状は捜査案件について限定されているものだからそもそも八百長を示唆する内容のメールは発見しても開示できないし押収もできなかろうと。特に、八百長それ自体は違法行為ではない(協会の内規違反ではあり民事案件ではあるが、刑事案件ではない)から、倫理的に問題があるとしても警察が介入してもよいものか、というのが争点ですね。
で、警察庁の説明では、国家行政組織法の第2条により、「国家機関の一部門が知りえた情報は縦割りでなく他の部門にも共有されるべし」という理屈文科省に報告が行って、その後の対応(協会への処分の可能性が発生したこと)を国民に説明するために警察がメール内容を開示した、ということのよう。
でもこの法律、何らかの権限を行政機関に与えるための法律ではないから、実はこの理屈では警察が通信の秘密を侵してメールを開示してよいという根拠にはならないらしい。


いずれにせよ警察の説明してる理屈はどうにも後付けくさく、本件では初動で法的根拠が曖昧なまま見切りで動いちゃった感じがすごいして、なんか怖いなあ。"Due process of low"の原理を蔑ろにして動く警察機関なんて個人的正義感を振りかざす暴力集団でしかないんだけど、当の警察はおろか、それに歯止めをかけるべきマスメディアまで何ら問題視してないあたり、マジで警察国家の到来を予感させるわ。