自分のコンテクストを他者に強要していいのは他者のコンテクストを強要される覚悟のある奴だけだ


またぞろふたばのネタを外に持ち出そうとする輩がいるようで。経緯をうまく要約していたツイートがあったので引用すると、

梅ラボ騒動をめぐっての、藤田直哉氏と豊崎由美氏とのやりとり - Togetter

梅ラボ騒動をめぐっての、藤田直哉氏と豊崎由美氏とのやりとり - Togetter

梅ラボ騒動をめぐっての、藤田直哉氏と豊崎由美氏とのやりとり - Togetter


こんな感じ。


騒動の中心となっている「キメこなちゃん」というのは元々ふたば(img?)発祥のキャラが、4chanで熟成されて、またふたばに逆輸入されてきたという経緯があって、誰のものでもない共有のキャラとして親しまれていたもの。当然、今回の経緯については4chanのAnonymousたちもブチギレてるとかなんとか。


二次創作、それも原著作物のコラというかなりブラックに近いグレーなものを楽しんでるがゆえに、本来ならいつ潰されてもおかしくないものを、ログが流れるのが早い環境でコソコソやってるためにか原著作者のお目こぼしで何とか続けられていて、だからこそ目立ったり表舞台に出たりしてはいけない、この場から外にネタを持ち出すのは厳禁、というローカルルールになっていたわけで、それをぶっちぎったのだから反発は必然ですよね。もし今回おおっぴらに原著作物コラがアートとして表舞台に立ってしまったことで権利者が乗り出してきた場合、このアーティストが責められるだけでなく、コソコソやっていたかった人たちまで巻き込まれることになりかねない。最悪、ふたば閉鎖とかね。そこまでいかずとも、このアーティストは、そのコソコソやってる場所についてわざわざ宣伝して回ってたそうだから、その場所がブラックに近いグレーだという認識を欠いた“お客さん”が既に大量に流入もしているようで、少なくともその場の存続を危うくしていることは確かです。


グレーだからこそコソコソやるしかないという文化を認識できない人が、わざわざそのグレーな場を外に引っ張り出して大問題にしてしまうという点では二次創作同人誌に当日版権を導入しようとしていた人とダブりますね。本人の満足感が最優先で、その文化を必死に守ろうとしている人たちの事情や必要性を慮らないところなんかもそっくり。
あるいは「二次創作物はもともと権利侵害の可能性の高いシロモノだから、二次創作物の権利を侵害したところで二次創作者は強く出てこれないだろう」的な構図でかつての「自炊の森」問題の一部にも似ているかも。まあこのアーティストが本音でそこまで足元見てるとは思いたくないですけど。


しかしこのアーティストの所属するカオス*ラウンジの実質トップが未だに

Twitter. It's what's happening.


こういう感じだからねぇ。セーフゾーンを蹂躙してないと言い切れる根拠がそもそもわからない。もし出版社なんかが出てきたときには、カオス*ラウンジが矢面に立ってふたばを擁護でもしてくれるんでしょうか。そういう覚悟と実力を発揮できるなら確かにその通りだと見直しますけど、実際のところそういう事態になったとしても「自分達はアート」と逃げを打って、ふたばが潰されようが捨ておくというオチしか見えない。だって、

Twitter. It's what's happening.


ふたば/4chanで作られたコラ画像をそのまま自分達の作品のコラ素材として用いておきながら、この言い草だからね。用いられたコラ画像の出展については「自分の考えたキャラクターだと主張するつもりはまったくありません」と言っているのだから、もし原権利者に追求されたらふたば/4chanに累が及ぶのは間違いないじゃん。それを「いつも権利侵害してるんだからそのことを謝る気は無い(キリッ」ってさ、誰もお前らの(原権利者やふたば/4chanに対する直接的な)権利侵害を問題にしてるんじゃねぇよ、お前らのせいでふたば/4chanが原権利者に目をつけられて潰されるかもしれない可能性を問題視してるんだよ。
せめてふたば/4chan発のコラ画像をそのまま使うのではなく、自分で原著作物を切り貼りして似たようなキャラを作って替わりに配置すれば、全責任はアーティスト個人に帰することになるけど、今のままじゃふたば/4chanと一蓮托生だからね、それも勝手に巻き込んだ形の。そういう自覚が無いのなら、本当に搾取しただけの略奪者であり、コミュニティの破壊者であるという指摘の通りだと思うよ。