今こそ脱Amazonじゃね


LOを児童ポルノ扱いして「販売するな」とAmazonにメールするよう扇動してた人が、実はLO執筆作家の同人誌等々を海外通販して儲けてたらしいとかなんとか。かつて自分も売ろうとして海外の規制の厳しさを知って考えを改めたとか言う割には、二次創作を児童ポルノ呼ばわりしたりエロがダメなのかペドがダメなのかハッキリしなかったり同性愛者を障害者呼ばわりしたり、たとえ仮にこの人の発言を全部信用したとしても、あんまり深く考えてなさそうだなあという印象しかない。


まあそんな人物評はぶっちゃけどうでもよく、どっちかっつーと実際にAmazonがLOを販売停止してて、それが本当にこのメール凸の結果なんだとしたらそのことのほうが問題だってんで取り扱いを再開するようAmazonにお願いするなんて動きもあるようですけど、そもそもAmazonってクレーム突っぱねてまで販売継続する根性なんてほとんどなくて、クレームが来たら即座に引っ込め、それでも当たり障りのない大衆向け商品の莫大な品揃えと知名度と資本があるから商売として全然やってけるみたいなスタンスじゃん。んでもって実際どの商品を扱うかはAmazonに選択の権利があるわけだから、たとえクレームに折れて取り扱いを停止したんだとしても、クレームに折れたことの是非やそのクレームの内容の是非に関係なく、Amazonが何を売るかはAmazonの勝手だからしょうがない、って結論になる。そういう意味じゃ、個人的にはここのtogetterまとめのコメ欄のNaokiTakahashi氏の意見におおむね同意。
まあAmazonはそういう会社だから、ここでAmazonにお願いするよりも、むしろこれを機会に他の通販業者を贔屓にするようにして、LO買いたかったらそこで買って、「Amazonさんがヘタれて取り扱いを停止したLOを売ってくれるなんて御社は素敵です」って応援メールでも出したほうが、地味ではあるけど有意義だと思うよ。つか、Amazonでエロメディアを入手しようと試みたことのある諸兄なら経験あると思うけど、正直(クレームに弱いという事情のせいもあるのか)マニア向け商品の取り扱いに関してはAmazonは思いのほか貧弱で、いまさらAmazonでのオタク関連アイテムの取り扱いが減ることにギャーギャー言うのは情弱じゃね?と思ったりもする。


ただまあ、ここが業界全体の流通自粛=実質的規制強化の起点になるのではないか、という懸念もわからなくはない。確かに、ほとぼりが冷めた後に「Amazonが販売停止してるのに他の通販業者はなんで売ってるんだ」みたいな、あたかも倫理的に正しいと判断されたからAmazonの取り扱い停止が受け入れられたかのように言ってくる連中は出てきそうですよね。そのことについてここであえて釘を刺しておくなら、「AmazonがLOの取り扱いを停止したことが受け入れられたのは、『LOをAmazonが売るかどうか決めるのはAmazonの自由だから』であって『LOの流通を止めることが倫理上ないし社会通念上妥当だから』では決してない」という認識を強調し周知徹底しておく必要があります。
逆にここで「クレームは不当だからAmazonは取り扱いを再開すべき」という戦い方をしてしまった場合、上記の論点を混同することになって「AmazonがLOを取り扱うか否か=LOの流通が道徳的に許されるのか否か」という構図を自ら進んで認めるような形になってしまいます。その場合、実際にAmazonが取り扱い停止を続けているかぎり、「LOの流通は道徳的に許される」という主張がAmazonに受け入れられてないと解されてしまうため、その事実をもって「やはりLOの流通は道徳的に許されないのだ」と主張する人々に対して、反論が困難になるでしょう。そういう逆効果になってしまう側面もあるので、よい返事の期待できないAmazonにお願いするよりは、他の通販事業者に心ある販売を継続してもらえるよう、そこをご贔屓にしたり応援したりする「褒めて伸ばす」戦略で、そういったオタク関連アイテム流通の維持を図っていったほうがいいんじゃないでしょうか。


つーわけで私も、今日はAmazon以外でいくつかポチりたいと思います。