巻き戻せなきゃ意味無い


週が明けてファーストサーバの事故原因についての報道がちらほらと。
中の人も認めているとおり、まあこれは一般的に言われるバックアップではないよね。ある瞬間だけ切り取って見れば確かに本番環境の安定動作内容のコピーにはなってるけど、データやシステムの更新が本番とほぼ同時に適用されてしまうのだとしたら、問題のある更新までも同時適用されてしまうから、ひとたびそういう事態が生じてしまうとその前の状態に戻すことができない。それを回避するための手順として検証環境なるものを用意して事前確認してたのかもしれないけど、人間のやることなんだからどんなに確認したところで回避しきれるとは限らず、それで実際に事故っちゃったのが今回の件ということでしょう。
いわゆるバックアップというのは、そういった危険性を見越して、巻き戻しの時と廃棄の時以外には絶対に手をつけないものとして静的な状態に保管しておくもの。だから、動的に(頻繁に)書き換わっちゃうものをバックアップ=最終的な保険であるかのように扱うのは、運用の仕方としてもお客さんへの宣伝の仕方としても間違ってると思われる。
まあ、安かろう悪かろうというサービスにも全く需要が無いわけじゃないから、こういう運用体制で商売するのもアリかナシかで言えばアリではある。ただ、それならそれで、「この程度の(厚いとは言えない)体制でやってますよ」という手の内を誠実に説明すべきだろうな、とは思います。特にビジネスユーザ向けでやってるならなおさら。