映画図書館戦争感想


今日は、図書館戦争 革命のつばさを見てきました。劇場に着いたとき、入り口に井上麻里奈のサイン色紙が飾られててビビるw
TVシリーズ放送は4年前ということで、もうそんなに経つのか〜と感慨深いですが、同時に、どんな内容だったかちょっと忘れてたりもして、ちょうど劇場公開に合わせて開始されたTVシリーズの公式配信で復習させてもらいました。


もともと原作を読んでないのですが、パンフレット等を読むかぎり、今回の映画は原作の4巻目=本編としての最終巻?にあたるようで、実際に見た感じでも今回の話で物語としては完結してるように思います。また映画化にあたっては原作者の監修の下でいろいろと変更された箇所もあるのだとか。


内容としては、原作3巻までをTVシリーズをやってその続きの4巻の映画という形どおりで、TVシリーズが楽しめた人にはそのままオススメできる内容だと思います。恋愛・権謀術数・アクションの各要素が物語に占めるバランスなどもTVシリーズでの感じに近く、映像的演出に関してのみ映画スケールに膨らませてある感じ。
いちおう一見さんにもある程度は雰囲気で状況がわかるような配慮はされてましたけど、やはりまずはTVシリーズを見てから見に行くべきでしょうね。例えば図書隊と良化隊の因縁や、原則派・行政派・未来企画の関係など、TVシリーズを通して描かれた背景を知っていないと理解が追いつかないだろう場面も多々あるので、興味ある人は前掲リンクから公式配信を見てみて、その上で劇場に足を運ぶことをオススメします。


以下ネタバレあり。




結局のところ何が検閲をやらせてる元凶なのか、というところには切り込まれませんでしたけど、むしろそれで正しいというか、わかりやすい悪役を設定してそれを討伐して終わりみたいな話で済まない・済ませられないってのが政治というものの重要な本質だからね。まあもちろん、地に足の着いた現実味のある現場ベースの話が基調である以上、現場の実務担当者がトップの政治判断に絡んでいくような話にしてしまうと途端に陳腐になってしまうというのもあるし。


演出としては、OPや導入からしておどろおどろしさ過剰な感がありましたが、検閲という行為や、それに正当性を与える法制度が、いったいどんな社会をもたらすのか、ということを端的に表しており、それと同時に、実務として検閲を遂行する者もきちんと“人間”として描いている。また世の中の多くの人々はもちろん商業作家の間にすらある無関心にも言及しており、全体としては、1人1人が問題ある現状を容認せずどう向き合うか、その重要性について問うようなテーマでしたね。完結編にふさわしい、検閲を巡る社会のあり方について真っ向から取り組む内容だったかと思いますが、個人的には、確信犯的に検閲を推進・支持する市民たちについてももっと具体的に描いて欲しかったかも。


アクション関係ではエンターテインメント優先でちょっと不合理な場面(最後ロクな考えもなしにバリケードに突っ込もうとするところとか)もありましたが、まあ許容範囲でしょう。全編通して動きがよかったのは映画ならではの素晴らしさです。


恋愛方面でも乙女チックな展開多目で、最後はメイン2人が結婚するところまでいっちゃいましたが、柴崎&手塚がモヤモヤする終わり方だったのには沢城嬢もご不満のようでw続編としてサイドストーリー部分をアニメ化することがあればそのへんもフォローされるのかもしれませんが、はてさて。


全体としては、いろんな意味で良い具合にバランスの取られたエンターテインメント作品でありつつ、きちんとテーマ性も帯びている、良作だと思います。