暴力は否定しないと


中国の反日デモにおいて現地のアウディ代理店が「日本人殺す」とか横断幕を掲げてた件で、アウディ正式なコメントが出たみたいだけど、ダメでしょこれ。


直前にユニクロの事例もあったけど、決定的に違うのは、現地ユニクロ掲示されていた張り紙が尖閣諸島の領有権という政治的主張の範囲にのみ留まっていたのに対し、アウディの横断幕では特定の人々を殺すという暴力の示唆が行なわれている点。日本人を殺すという表現がレイシズム的であるという批判以前に、そもそも人を殺すという言説が店先に掲げられていいのかという問題があるよね。政治性よりもむしろ暴力性のほうが問題だっていう。
つまりこれ、尖閣諸島の領有に関する主張とは切り離して、このような野蛮な言説を(当該店舗の独断とは言え)半ば公式に垂れ流したことをどう考えるのかハッキリと説明されなければならないところ。尖閣諸島を日本のものと考えようが中国のものと考えようが、「日本人死ね」とか「中国人死ね」とか口に出して言っちゃうことは別問題でしょ、という話。


だから「我々は一企業として政治的主張とは距離を置きます(キリッ」ってだけでエクスキューズが済んだと思ってるんなら、それは酷い勘違いというもの。中国での商売を続けたいがためにできるかぎり口をつぐんでいたいにしても、これでこのまま何も言わないんじゃあ非常に鈍感で品位の無い企業だと思われちゃうんじゃないかと。