説明する技術は別よ


東電の住民説明会がいつもの調子だったようで。


この手の話題でよく耳にする意見として「本当に頭が良かったら難しい概念でも素人にもわかるように説明できる」ってのがあるけど、それは嘘だと思う。
専門的な知識ってのは、習得が難しいからこそ専門性が高いと言われ、習得が難しいからこそ時間をかけて学んできているのだから、全容そっくりそのままをわかりやすく説明できたりはしない(できてしまうなら、習得が難しいことと矛盾する)。なので、簡単に説明するという行為は、おおむね、今の会話の文脈において重要と思われるところだけを全体の中から選択的に抽出し他は捨象して要約したうえ、聴き手の理解力に合わせ言葉を噛み砕いて述べる、という行為であって、それはその専門的知識をよく知っていることはもちろん、それ以上にコミュニケーションの技術が必要になると思う。
だから、専門知識に強くとも、コミュニケーションが苦手な人とかは普通にいて「頭はいいけど説明できない」ということは往々にしてある。つか個人的な経験としてもそういう人けっこう知ってるし。もしも「わかりやすく説明できる人は頭のいい人だ」と素朴に信じてしまっていると、口先だけの相手を不当に高評価してしまうことにも繋がりかねないので、何か重要な決定権を持ってる人(会社の人事担当とか)は、気を付けたほうがいいですよ?


それはそれとして、件の説明会は素人に向けてのものなんだから、素人相手にもわかりやすく説明できる人を連れてくるべきですわな。まあ、わかってもらいたくないのであれば別ですがw