GTM新連載!


数日前からフラゲ情報が飛び交い、スゲー気になってた今月号のNewtypeを、発売日の今日、買ってきたわけですが(いいステマだったな)、ウワサどおり、FSSはゴティックメードになってましたw
そうか、これが Fancy 44 minutes なのね(たぶん違う


未読の人に概要だけ説明すると

  • 再開された漫画連載は、休載前の話の続きにはなってるが、以下の点で大きく異なる。
  • ロボット兵器はMHではなくなりGTMになった(何の説明も無く、劇中に登場するロボットが全部GTMに置き換わっている)。
  • それに伴い、各機体の(物語上での位置付けはほぼ変わらないが)名称とデザインが全て一新される模様。少なくとも本誌上で紹介されている機体のうち休載前と共通の名称・デザインのものは無い。
  • ファティマおよびファティマスーツの呼称・設定・意匠が追加・変更され、ファティマと兵器運用の関係性にも大きな変更がある。
  • 年表が加筆され、主にAD世紀前〜星団暦初頭についての記述が大幅に書き加えられた。


細かい点はいろいろあるけど大まかには上記のような感じ。わかりやすく言うなら「オリジナルのお話を書き終わらない途中から、リメイク版を書き始めちゃったよこの人」みたいな。


そもそもFSSは神話である、というのは明言されてきたことだし、であるならば、本質は同じはずの物語であっても語り手・語り口によって描写が変わる(ギリシャ神話とローマ神話、みたいな?)のも神話の伝承として自然に受け入れられることではあって、今回の変更もそういった翻案の範疇ではあります。物語自体はホントに休載前の続きだし。
しかしながら今までのデザインに執着する人にとっては受け入れがたい事態なのも間違いなくて、そのことについてはデザインズだかトレーサーだかで永野護本人が「連載再開したらみんな驚いて、これまでのファンの多くを失うことになるだろう」って言ってたから、認識してはいるのだと思う。加えて、これまで積み上げてきたデザインを全て白紙に戻して、同量かそれ以上の分量のデザインを描き起こすことになるわけだから、永野護本人の負担は尋常じゃないと思うのよね。
それでもやっちゃうのは「古いデザインが気に入らないから」つーことで、やっぱこの人の心性は商業作家ってよりも芸術家に近いな、と改めて思いますわ。そしてこれまでの長い休載は、これらのデザインの新規描き起こしに費やされたのだとすればいろいろと合点がいきます。


個人的には、今回の変更は基本的に受け入れていくつもりなんだけど、しばらくはGTMの名称とその物語上の位置付けが一致しなくて混乱するとは思うw間違いなくw
GTMのデザインに関しても、変わること自体には否定的ではないけど、新旧デザインの違いで受ける印象が全く異なってたりすると、自分の中で漠然としたイメージとして把握されてた世界観とも齟齬が生じて、慣れるのに時間がかかりそうな感じはある。本誌に紹介されてたものに限れば、以下のような感想:

  • MH L.E.D.ミラージュ → GTM ツァラトウストラ・アプターブリンガー

上半身だけしか写ってないけど、それだけで判断するかぎり文句なしにカッコいいので全然アリ。個人的には旧デザインよりも好きです。
むしろ、人と神の対峙の物語の文脈において最強ロボットの名前にツァラトゥストラを引っ張ってくる言語感覚のほうがヤバい気もするけどどうなんでしょう。
公式の略称はツァラトラってなってるけどキーボードでツァって打ちにくいし発声もしにくいねん。ZABじゃダメですかセンセ?

  • MH エンプレス → GTM ディー・カイゼリン

これは映画ゴティックメードのまんまというか、改修されてエンプレスになったという通説を覆し、カイゼリンとしてそのまま後代に伝わった、という扱いっぽいですね。つまり星団暦においても炎の女皇帝ではなく氷の女皇帝がこのロボットの呼び名になると。
なんで炎から氷に変わったかっつーと、新年表でツァラトラとカイゼリンが並び立つシーンが多く、ツァラトラが旧設定同様にフレームランチャー使う関係上、炎&炎でかぶっちゃうのを避けるべく、カイゼリンの側を氷にしたんじゃね?と邪推。
個人的に、フェイス形状と色合いはエンプレスのほうが艶っぽさがあって好きだったので、そこだけはちょっと残念。

  • MH バッシュ・ザ・ブラックナイト → GTM ダッカス・ザ・ブラックナイト

真っ黒なのでわかりやすいっちゃわかりやすい(KANも黒いけど)。でも旧デザインとはまた異なる黒さだし、シルエットも反らせまくった装甲が新たなアイデンティティになっているので、旧デザインを気に入ってた人には受け入れにくいようにも感じます。まあ私は新旧どちらのデザインもあまり好みではないので。
魔導大戦に際し旧デザインでは重装化が施されてたけど、装甲の強度はGTMには関係ないみたいなことも書いてあり、そうすると、各国が自国のロボットを重装化して戦争に望んだって設定も抹消なんすかね。
そういえばヤーン王女の名前もヤーン・ダッカスになってましたね。命名の経緯を考えれば当たり前なんだけど。そうすっとカイエンもカイエン・ダッカス・カステポーになるのかしらん。

  • MH A・トール → GTM バーガ・ハリ

ラウンドバインダー的なモノが両肩に残り、縦長の頭部も継承されたことで、全体のシルエットとしては旧デザインと似通った部分は多いかも。しかしカラーリングやディテールに関しては、旧デザインでは割と兵器色っぽさが強かったところ、新デザインでは荘厳な騎士っぽい感じになっていて、パッと見の印象が違いすぎるのでちょっとまだ馴染めてません。新デザインそのものはかなり好き。
旧設定では「半透明装甲なんてアマテラスみたいな酔狂なヤツしか使わん」って話だったのが、新設定ではどのGTMでも使われているような印象もあり、そのへんの設定も変わったんですかね。
名称については、旧称が聖導王朝の名前だったのに対し新称は聖都の名前なので由来は近しい。そういやMHベルリンがGTMワイマールになっててフイタw

  • MH シュペルター → GTM デムザンバラ

デッカイ頭の両脇からツノ2本、というアイデンティティは残ってるけど、いかにもな悪役デザインにw肩部装甲がコンパクトなのがGTMの共通デザインっぽいので、旧デザインの騎士の礼装のような肩形状は再現できないでしょうね。そここそが白銀の騎士の異名にふさわしい意匠だったと思うんですけど。まあ、ジイッドのセリフによると装甲を換装したっぽいから、カイエン搭乗時とは外観が違ってるのかもしれませんが。


もっといろんなGTMのデザインを見てみたいですね。惜しむらくは、旧デザインのマイティシリーズが劇中で戦う姿をもう見られないだろうこと、くらいでしょうか。