松あきら議員の質問

なんかIDコールされたっぽいので、公明党の参議院質問の件について書いておく。
質問の様子そのものは15日の決算委員会の中継動画(2つ目のトラック=休憩1の後2時間55分あたりから)で確認できます。見ればわかりますが、非常に感情的な印象操作になっていて、一発言ごとに突っ込みどころがあるという。挙げるとキリ無いんでいくつかピックアップ。

「弱者の権利保護に熱心な有識者からは『児童ポルノの規制によって表現の自由が侵害される』といった発言が声高になされるのは非常に残念でなりません」

そんなこと言ってる人いるの?
児童ポルノの単純所持を禁止することは不当逮捕などの問題を多数発生させる恐れがある』あるいは『児童ポルノの定義を架空表現物にまで広げることは表現の自由を侵害する』という主旨のことを言っている人は数多くいますが、(現行法による)児童ポルノの規制に対して表現の自由の侵害を訴えている人は知りません。あえてそこを混同して伝えることによって改悪反対派のイメージを貶めようとしてるんでしょうね。本当にそんなことを言っている有識者がいるのだとしたら実名を挙げてほしいものです。


あと途中まで実在児童への侵害画像(=現行法で規定された児童ポルノ)について言及していたはずなのに、こないだの会議に話が飛んで、リオ協定とやらでアニメや漫画やゲームも禁止ということになった〜とか言ってますけど、それ本当なんですかね?
この会議については前の記事でも触れましたが、そこで参照した文書(pdf)はあくまでthemtic paperなのであって、実効力のある(というのも疑わしいですが)協定本体とは別のような気がするんですが。
少なくとも外務省のサイトに掲載されている英文ドラフト(pdf)を読むかぎり、child(およびchildren and adolescents)とは“18歳未満の人類”、と定義されており、child abuse imagesとは“ポルノにおけるchildren and adolescentsについての性的搾取”と定義されているわけだから、実在児童を被写体とする場合のみを想定しているのは明らかであって、架空表現(アニメや漫画やゲーム)は議論の対象に含まれてないと思うんだけどなあ。


この協定に関しては毎日新聞の社説でも取り上げられてたけど、日本における少女売春指南を記事として全世界に配信したり、現行法でも児ポ法違反と思しき画像を掲載したりしている新聞社が、どの口で「児童を性的搾取から守れ」とか言うんでしょうかね。この胡散臭さはもっと広く多くの人に知ってもらいたいところ。


松あきら議員の質問内容に戻ると、

「単純所持を禁止してないのは日本とロシアだけ」
「シーファー大使からも何度も言われている」

これも何十回も繰り返されてる議論だと思いますが、そういうこと言ってくるアメリカもまた児童の権利条約には参加してないとかいう事実もあるわけで、この種の取組みで各国の足並みが必ずしも揃うものではないし揃える必要も無い。つか条約とかってそもそも各国の都合と折り合わせるもんだし。結局は規制推進派にとって都合のいいところについてのみフォーカスして語ってるだけじゃねーか、という。

「ヨーロッパのほうではブロッキングが進んでおります」

おかげさまで、イギリスではWikipediaがアクセス制限受けてるらしいけどね。

「漫画やアニメは日本の大事な文化、コンテンツ産業、大事な分野だと思っています」
「でもこれと、児童ポルノとは一緒にして決して欲しくない」

全く同感ですw