パクリ?いいえオマージュです

ロザバン2のOPがマドンナPVのパクリだと言う人がいる件。マドンナPVのパクリつーと、Witch Hunter ROBINのOPの件*1を思い出しますね。


しかしロザバン2のOPと、似てるとされてるPVを見比べても、個人的にはパクリという印象は無いですね。確かに

  • 管(?)のモチーフを画面に入れることで何も無い空間におけるカメラワークを認識しやすくしている。
  • 通常ならカットを切るところで切らず、一続きの連続したカットとして次々と流れるように連続してダンスパフォーマンスを映す。
  • 他方で、カメラを固定した短いカットの切り替えを要所要所で多用している。
  • 横方向だけでなく縦方向・奥行き方向のカメラワークを入れている。
  • モノトーンの背景にモノトーンのキャラを配置する画面作りが使われている。

という点で似ているし、おそらくわかっててやってるのは間違いないでしょう。でも、これら類似の映像効果を狙った見せ方をしているとしても、単なる思考停止の模倣になってるわけではなく、ロザパンにその表現手法を用いるにあたってきちんと再構成されているように思います。


映像ではなくイラストの例で、ガンダムWの旧版DVD-BOXのパッケージイラストがミュシャ調だったりする*2のですが、これを「ミュシャのパクリだ」と言って憤る人は少ないかと思います。それはミュシャが確立した表現手法を借りながらも、それによって何をどう描き出すのかということについて、オリジナリティがあると認められるからです。


ロザパン2のOPについて言えば、モノトーンのカットを少なくする代わりにキャラごとの衣装のカラー統一することによって色彩的に鮮やかにしてる(これはとてもアニメ的な手法だと思います)し、ダンスの振付けは歌ともどもレトロ調(?)の個性的なものだし、特に冒頭30秒くらいまでのモカさん大写しのシーンや最後10秒の全員集合などはまさにこのOPアニメのオリジナリティと言っていいでしょう。類似の表現手法を用いた別個の表現ではないでしょうか。


まあパクリ認定するか否かは見る側の主観による部分も大きいですが、ボーイミーツガールの話でも何人かから指摘があったように、先人の表現と一切かぶらずに新しい表現を生み出すのはほぼ不可能だし、そういう方向性によってしか独創性が成立しえないなんてこともないわけです。であるなら、あえて先人の表現手法に意図的に乗っかりつつ、そこに何らかの独創性を込めようとする作り方はアリなんじゃないかと思います。

*1:Take A Bowという歌のPVに似てると言われてました。

*2:ヤフオクで検索すれば現物の絵が見られるかと思います。