誰が為のエコやねん

人間がいなくなるのが地球に優しいとか何とか。どこの厨二病だよw


人間の活動が環境を不可逆的に変化させ続け、やがては人間が住めない状態にしてしまうかもしれないという危険があるから、そのような活動全般を環境破壊と位置づけて、できるかぎり抑制しようというのが環境保護の大元でしょ。リサイクルも温暖化ガス削減も生物多様性の維持も、全てはそこが起源。
人類が存続できる環境を維持することが目的なのだから、極端なことを言えば、人類起源ではない環境変動が目前に迫り、それによる人類への甚大な被害が予想されるとき、それを相殺するような変動を人為的に起こすよう模索することすらありうるでしょ。ハリウッド映画じゃないけど、飛来する小惑星を破壊したり、地球の中心に何か細工したり。それを「自然に起きてることに対し人為的に介入してるから環境破壊だ、良くない」なんて言う人はいないでしょう。


そういう、人類の存続のために必要だから環境保護に取り組むのだ、なんてことは、政治家として当然に理解していてしかるべき認識で、そうであれば「地球から見れば、人間がいなくなるのが〜」なんて発言は出てくるはずがない。「持続可能な開発」という理念が登場したのは30年も前なんだぜ?それを一国の首相が理解してないって何なの?


人類存続のための環境保護なんて言うと「それはエコじゃなくてエゴだ」なんて怒り出す人もいるけど、そもそも“優しい”という価値判断自体が主観的なものであって、我々が地球自体の意志とやらを確認できない以上*1「地球に優しい」と主体的に判断しているのは他ならぬ(話者であるところの)人間なわけで、それをあたかも人間から独立した普遍的な主張であるかのように振りかざすことのほうが、よっぽど欺瞞的でエゴに満ちていると思います。


なんつーか、漢字の読み間違いとか何とかとは比較にならないほど、この人は首相としての適性に欠けている気がするんだけど。

*1:そこで「いや地球の意志が」とか言い出すと完全にカルトです。