俺たちの戦いはこれからだ


都の条例案は継続審議になったの?いずれにせよ採決の日である30日まで気が抜けないし、本会議の開かれる6月までこの問題を積極的に周知していく必要があるでしょう。まだまだ安心できません。
しかしひとまずは、反対意見を表明してくださった作家の皆さんや団体の方々には感謝したいですね。あなた方の意見表明が無ければ、今ごろ最悪の決着を迎えていたかもしれないわけですし。


ちなみにこれまでの経緯が追いきれてないよ〜という人はGIGAZINEさんのまとめ記事から各リンク先に飛んで拾い読みしておくといいでしょう。


しかし土壇場になって都が「誤解だよ〜」と言い出したりしたけど、その言い分を鵜呑みにするなら改正する必要がそもそも無い(現行の条例で十分)だし、そんな申し開きを加えなければ理解されないのであれば恣意的運用の危険性があることは反対派に指摘されてるとおりでしょうよ。あわてて有名作品は規制されないなんて言ってるあたりは完全に墓穴かと。


「曖昧な条文による運用の恣意性なんて言ったら、わいせつ物頒布罪とか、既存の法律にもあるのにそっちは問題にしないでこっちだけ問題にするのか!」みたいな擁護をする人もいるようですけど、そういう人はまず“松文館裁判”でググってくださいね。


このブログでも割と簡単に「過激なものはわいせつ物頒布で取り締まれるじゃん」とか言っちゃうけど、それも表現する側の自主規制を官憲が尊重しているから慣行として信用できるって話に過ぎないわけで、わいせつ物頒布罪の条文にだけ愚直に従うなら、警察は成人向け作品でさえいつでも好きなように取り締まれるという状況です。そのことを実際に見せ付けられたのが松文館裁判で、少なくとも被告側は自主規制の慣行に照らして不当な逮捕だと主張していたわけですが、当該図書はわいせつ物ゆえ入手不可能であり、その主張が妥当なのかどうかも我々には検証できないという。
そういうことですから、わいせつ物頒布罪でさえ恣意的運用の危険が懸念されてる中でこの条例案はダメだろという、およそ出版なり表現に関わってる人なら誰でも危険を感じる話だということです。