懲りない規制派


そういや男女共同参画局で進めている第3次男女共同参画基本計画の策定について、中間整理の段階でパブリックコメントの募集がありましたが、現在は提案募集を行なっているようです。


http://www.gender.go.jp/danjo-kaigi/kihon/sanjikeikaku/teianboshu.html


中間整理の段階で多数の反対意見が寄せられたかと思いますが、その後に出された答申にもなお、根拠の無い表現規制施策が盛り込まれています。
具体的には


「第9分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶」
→「III 施策の基本的方向と具体的な取組」
→「4 子どもに対する性暴力の根絶に向けた対策の推進」
→「(2) 具体的な取組」
の中の

また、子どもに対する性・暴力表現について、DVD、ビデオ、パソコンゲーム等バーチャルな分野を含め、メディア産業の自主規制等の取組を促進するとともに、表現の自由を十分尊重した上で、その流通・閲覧等に関する対策の在り方を検討する。


という部分と


「第9分野 女性に対するあらゆる暴力の根絶」
→「III 施策の基本的方向と具体的な取組」
→「8 メディアにおける性・暴力表現への対応」
の全部


が当たりますね。


「女性をもっぱら性的ないしは暴力行為の対象として捉えたメディア」を規制することが現実の女性差別の撤廃に繋がるという考え方は安易で無意味どころか危険だということは以前に指摘したとおり。「有害な表現があるから好ましくない社会風潮ができあがるのだ」という思想は、前世紀の全体主義国家が多くの絵画や音楽に退廃芸術というレッテルを貼って放逐したのと全く同じなんだけど、その点には気付いてないのかな?それとも自分達の価値観は正しいはずだから、それに基づく全体主義思想統制ならば問題ないということ?おそらく全体主義国家の誕生に加担した人たちも、全く同じように「自分達は正しいことをしているから強権的でかまわない」と考えていて、その結果あれだけの惨劇を起こしたのだということにまで想像が及ばないのかしら?
いま本当に目指すべきは、「そのようなメディアが社会の中に存在したとしても、そしてそれを楽しんでいたとしても、現実の女性の権利を尊重できる」ような人権意識の醸成でしょ。例えば時代劇の殺陣を楽しむ人が現実の殺人鬼にならないのと同じように。


提案募集の締め切りは8月末日と迫っていますが、ぜひとも反対意見を送りましょう。