撤退戦?


件の都条例案は、都議会民主党が賛成に回って総務委員会で可決、15日には本会議で可決の流れのようで。付帯決議で「慎重な運用を求める」とされたものの、法的拘束力ないし、運用は行政に丸投げなんだから、まあ無視されてもおかしくは無い。施行は来年7月1日からの予定?のようなので、ほとぼりが冷めても忘れることなく、行政の運用を厳しく監視していくことが大事です。また、これに追随する動きも出てきているようなので、都条例成立で落胆するだけで終わらずに、今後も地道に規制反対運動を続けていくことが大事です。不幸な歴史の二の轍を踏まないためにも。
何にせよ今回の条例成立で、懸念されていた「表現の萎縮」は避けられませんね。このへんは保坂展人氏のブログ記事に詳しいですが。


で、今回の条例成立は、土壇場での民主党の翻意が直接的な原因のためか、さっそく都議会民主党をバッシングしてる人たちもいるみたいで、確かに憤る気持ちもわからなくは無いですが、保坂氏1人を国会に送り込めるだけの動員力すら発揮できない規制反対派の政治的基盤が弱さが災いし軽んじられるような結果になったのだと反省すべきでしょう。都議会民主党が頼りにならないと言うなら自ら政党を立てるなり立候補するなりするべきですが、それが現実的な戦略ではない*1以上は、規制に反対してくれる見込みのある最大勢力として民主党に頼るしかないということは肝に銘じておくべきです。*2そして今回、最後まで反対を貫いてくれた共産党および生活者ネットワーク・みらいの議員の方々には、最大限の感謝をしましょう。
今回の憤りは、ギリギリまで条例案を隠し通していた姑息な警察官僚と、まともに審議しようとしない自公の都議員に向け、また今後の規制反対活動の糧にするべきです。


何も収穫が無かったわけではありません。今回ようやく、コンテンツ企業らが規制に反対する動きを見せてくれましたし、それによって大手メディアでも今まで以上に大々的に取り扱ってくれました。その意味ではむしろ規制反対の勢力は増しているのです。反対を表明した企業の応援であるとか、地元自治体に追随しないよう意見を送るとか、今できることを地道に積み上げて、これ以上不当な規制を進めないよう粘り強くいきましょう。

*1:それこそ規制反対派の政治的基盤の弱さの現われですが。

*2:そもそも二大政党制の潮流自体が望ましくないのですが、それは言っても仕方ないこと。