歯車作ってるんじゃないんだから


出席率100%を賞賛する学校に賛否両論の様子。
まあねー、出席率100%ってのは、何も無理せずに達成できたのなら「みんな1年間健康に恵まれてよかったね」という幸運として喜び合うのはアリだけど、それを何か努力までして達成すべき目標や美徳と位置づけてしまうのはナシでしょ。特に教育的見地からすると、それが目標や美徳として掲げられることによって、少し体調が悪くても無理を押して出てくるのが善行のように捉えられ、またそのような我慢や努力をしないことが悪行のように捉えられてしまいかねず、誰もが持つはずの休む自由を軽んじたり抑圧することに繋がるのでかなりマズい。そして現にこのクラスでは、休まないようにするという自縛的傾向に留まらず、休もうとした生徒に対して怒るという他罰的傾向の顕在化まで見られてるわけで、もうハッキリと教育として失敗だと思うよ。
こういう「休まないことが正しい」みたいな歪んだ倫理観を蔓延させてきたことが、いわゆるブラック会社などの「どんなに体調悪くても出てくるのが当たり前」という最悪な職場環境の醸成に寄与してきたんじゃないの?もしこのクラスの生徒達がまかり間違ってそんな会社に就職してしまったら、そんな倫理観を内面化してしまってるぶん、過労死のリスクは非常に高くなると思うのですが、そこのところ担任や教頭は何とも思ってないのかしら。
だから、これはこのクラスにおいて外形的に強制が有ったか無かったかということが問題なのではなくて、結果的に生徒達が休むということを悪だと勘違いしていないかどうか、そこのところの問題でしょう。辛かったら休んでいいし、極端なこと言えばズル休みしたっていい、休んだところで死ぬこた無いし、休まず頑張り続けて死ぬよかマシ、そのくらいの精神的余裕を生徒に持たせてやることのほうが、これから社会に出て行くにあたってのサバイバビリティに繋がるハズで、担任なぞはむしろ率先して休みまくりその範を示すべきだったんじゃないのかな。