GTM感想


今日は花の詩女 ゴティックメードを見てきましたよん。11月はいろいろと忙しかったため、公開当初は見に行こうかどうか迷ってたんですが、岡田斗司夫氏によるレビューを読んで、これはぜひ見に行かねばと思い立ち、そうはいってもいろいろと忙しいのを片付けねばならず、このような時期にまでずるずるとズレこんでしまったのでした。
で、実際に見に行ってみて、これは全くもって岡田氏のレビューのとおり、というかそれ以上に、FSSのファンであるならば見ておかなければならない作品だと確信しました。「FSS好きなんだけどゴティックメードはなんだか見に行く気がわかないんだよなあ」という人は、急いで見に行くべき。「アニメなんか作ってないで魔導大戦の続き早く描け」なんて言えなくなるから。ヱヴァQ?そんなもんは後回しでいいんだよ!(実際に私はまだ見てないw


以下ネタバレあり。


















ヘッドライナーという語が出てきたときの私の反応:
「この語感が好きで使い回しただけでしょ、きっと」


スピードミラージュっぽい兵器が出てきたときの私の反応:
「好きなデザインだから使いまわしてるだけだよ、きっと・・・そう、デザインのスターシステムだよ!」


ネプチューンっぽい意匠のGTMを背景に、ナイトマスターの紋章を持った、縦縞の正装のウォーキャスターが映し出されたときの私の反応:
「うん、だからきっとFSSのファンに向けたサービスなんだな!」


磁気嵐の稲光が一瞬だけサンダードラゴンと思しきシルエットをかたどったときの私の反応:
「サービスだよサービス・・・」


破壊されたGTMの残骸にシオの手が描かれているのを見つけたときの私の反応:
「ああ・・・うん・・・」


一騎だけ灰色のヤツに踊る人形のマークが入っていて、その搭乗者と思しき女性がツバンツヒと呼ばれ、「1500年後・3000年後に会いましょう」「契約終了なのでスタント遊星に帰る」的なことを言ったときの私の反応:
「・・・・・・」


というわけで、キャスト紹介時のネタばらしを待つまでもなく、この物語が星団暦初頭のミノグシア(とフィルモア)の話だということがわかってしまったわけで。いや、真面目なファンならもっと早くに気付くかw


で、久々にDESIGNSなど再読したりしつつ、今回の映画で語られた内容を整理すると、だいたい以下のような感じ?

  • 話の舞台である惑星カーマインは星団暦初頭のボォス星のこと
  • ゴティックメードモーターヘッド登場以前のロボット兵器
  • トリハロンは当時のエンパイア・フィルモア・イースト(ブラウ・フィルモア王家)の王子で、後にエンパイア・フィルモア・ウエストとの併合を果たし現在の統合フィルモア帝国の初代皇帝となったフィルモア1その人
  • ベリンは当代でいうところのアトールの巫女に連なる者で、FSSのEx1で不詳とされたユニオVにあたる
  • FSSにおいてダイ・グ・フィルモア5が身に着けた、王家に代々伝わる赤い衣ってのは、この物語においてベリンからトリハロンに送られたもの
  • カイゼリンは、ブラウニー博士の作り上げた帝国最強のロボット、という描写から察するに(ラーンに移譲されゼビア・コーターによって改修される前の)エンプレスそのもの
  • マーク2と呼ばれていた兵器がスピードミラージュに似ているのは、どちらもツバンツヒの設計だからであり、マーク3と呼ばれていたツバンツヒの乗機こそ、後の(クロスビンによる改修が入る前の)バングそのもの(そういう意味じゃ、ヴォルケシェッツェとバングが似ているのにも納得がいく)
  • システム・カリギュラは普通にこの時代でも暗躍してた


よくわからないのは、ナイン=ユニオIIIもその娘ヤーン=ユニオIVもAD世紀の存在であるがゆえに長命なのはまあ理解できるけど、星団暦の存在であるベリン=ユニオVが星団暦7777年まで存命なのは何でなんだろ?この映画の中で描写されてるかぎりでは、それまで普通に暮らしてたところ先代の巫女から選ばれたってだけで、AD世紀の超技術との直接的な繋がりは無さそうに見えるんだけど、でもユニオの名を継ぐものは女皇帝の本当の血縁の子孫だとも言われてるし・・・。
生まれは星団暦でも後からAD世紀との結びつきが生まれた、という例で言えば、ヤーンの息子カイエンを産むための仮腹となったクーンが、胎児カイエンからのフィードバックで凄まじいダイバーパワーを得た(最終的にはスイレーへと繋がる?)みたいなこともありましたけど。映画中では描かれていないだけで、ベリンにもそのようなことが起こるのかな?(スイレー=クーンだとすると)スイレーもまたナインの系譜に絡んでることになり、そうするとこのナインの系譜はドラゴンとの深い関わりがあるように見えて、その筋から考えると欠けたピースはカラミティ・ゴーダース星団皇帝とか?ほんとによくわからんわ。


あとはシステム・カリギュラの技術力とかも。ツバンツヒが超帝國の騎士であることは既に明かされてるけど、そのくせ今回の映画において契約相手に提供したGTMは、星団内で作られたカイゼリンと同じ次元の技術水準に留まっている(超帝國ほどの技術は盛り込まれていない)ように見える。ってことはシステム・カリギュラの兵器開発技術は超帝國の水準ではない・星団の技術水準と同程度ってことなのかしらね?それとも、オーバーテクノロジーを持ってはいるんだけど、それを星団内にむやみに持ち込んだりしないよ、という縛りでもあるのかしら。


などと、FSSのファンにとってはいろいろと考えさせ楽しませてくれる内容で、特に連載のほうは(止まってるけどw)フィルモア王家出身のフィルモア皇帝がアトールの巫女を擁するハスハを侵略しようとしている状況であることを考えると、このタイミングで「実は3000年ほど前にフィルモア初代皇帝とアトールの巫女にはこういう交流があったんだよ」というエピソードを投下するのは非常にホットではある。というか、年表上の主だったイベントを物語りつつ、その場面場面で関係する別の時代・次元のエピソードを差し込むという見せ方は、まさにFSSの連載が今までやってきたことであって、今回はアニメ映画というメディア横断的な手法でそれをやった、と考えるべきなのでしょう。そういう意味では、この映画は紛れもなく、FSSの物語のうちの一篇であると言えます。
しかしこれ、FSSを知らない人にはどのくらい楽しめるかは疑問かもなあ。まあ知らなくても楽しめるようには作られてますけど、ラストのネタばらしの意味とかよくわかんないだろうし、重要な説明をナレーションや字幕で片付けちゃうのも、FSSの一篇ですよ〜という前提があってはじめて許される見せ方のような気もするし。まあFSSのファンが劇場に来てくれて、いずれBDなりを買ってくれればペイするだろうからいいのかなw